住居表示について

2024年07月13日
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住居表示について、非常に特殊なケースに遭遇しましたのでご紹介いたします。

住居表示とは住所のことです。不動産の登記情報とは別物で、建物に対して自治体から付与される番号です。不動産の土地に登記情報に付与されているものが「地番」で、建物は「家屋番号」となります。住居表示が必要となったのには理由がありました。戦後より地番がそのまま住所として使用されていましたが、土地の合筆(結合)と分筆(分割)によって土地の番号が順番通りにならなくなり、郵便物などの配達が困難になったため「住所」として地番に影響されない番号を、市町村自治体から付与する制度が1962年5月10日にスタート(施行)しました。

ところがこの住居表示制度を導入していない自治体があります。それは「京都市」です。(導入していない自治体は他にもありますが、政令指定都市では京都市のみです。)

土地の形態が変わりやすい都市部では導入しないといけないはずなのに京都市では住居表示が導入されておらず、住所は地番となります。郵便等の配達においては、京都市では住所に交差点の名前を表示したうえで「上ル、下ル、西入、東入」を入れる場合もあるので支障なかったのかもしれません。(入れない場所も非常に多いのですが)

そして、その地番が将来確実に変わることが決まっている土地があり、区画整理事業地がその一つです。事業中は「仮換地街区番号」という仮の地番が付与されております。区画整理事業が完了すると仮の地番とは全く異なる番号が付与されます。区画整理事業地内で法人登記など住所を登記する場合は、この仮換地街区番号を使うか、換地前の土地の地番を利用することになります。そして、事業完了後は登記住所を変更しなければなりません。土地利用者にとっては不便ですし不利益です。

こういった特殊な場合はやはり住居表示があった方がいいかなぁとも思いますが、そもそも住居表示が配達を目的とするならネットで検索できる現代においては不要かなと思いますし、必要な人が任意で選べたらいいのになぁと思います。私個人の家については、地番が異なるのに同じ住居表示の家が3件ぐらいあり、特定には苗字の表札が必要なのであまり意味をなしていません。

ちなみに法人登記については本年10月1日から代表取締役等住所非表示措置が施行されます。現代の感覚に沿って順次法律が変わってきていますので、住所に関する不都合も解消していってもらいたいと思います。