工事の材料の重さ・大きさの単位のはなし

2024年05月20日
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こんにちは。突然ですが問題です。一斗缶の1斗とは何Lのことでしょうか?

 

この問題に即答できる人は、案外少ないのではないでしょうか?ちなみに問題の答えは18Lです。

他にも、建材の大きさを表す際に「尺」という単位をよく用いるのですが、建築にかかわる人以外は、1尺、2尺と言われても、具体的にどの程度の大きさか想像できないのではないでしょうか?

今回はそんな一般になじみのない単位についての話をしていこうと思います。

 

まず、問題にも出した「斗」という単位について。あまり聞きなじみはないでしょうが、実はこの単位、お米の体積を量る際に使われていた単位なのです。皆さんもお米を炊くときに「1合、2合」というふうに、「合」という単位を使っていますよね。「1斗」というのは実は「100合」のことなんです。つまり「1合=180ml」ということです。ちなみに「10合」で「1升」になりますので、「10升」で「1斗」ということになります。だから、1升瓶とは、1.8Lの瓶ということになります。

せっかくお米の話が出たので、そのまま流れで「斗」より上の「俵」と「石(コク)」についても述べておきましょう。「4斗=1俵」で、「10斗=1石」になります。他が10倍ずつなのに「1俵」が「4斗」と中途半端なのは、昔の税金、つまりは年貢の税率の問題で、「4斗(正確には3斗7升)」を収める必要があった為で、4斗、8斗と数えると面倒だから、それに相当する単位を作った為ですね。

 

次に「尺」について。1尺は約30cm(30.3cm)になります。この長さは人間の肘から手首まで(尺骨)の長さだと言われています。工事の材料としてよく使われるのは6尺なんですが、コレは昔は人の身長が5尺3寸、つまり約160cmであった為です。ちなみに、この「寸」は「10寸=1尺」となります。

長さの単位には他に「1寸」のさらに10分の一である「分」と「1尺」の6倍である「間(けん)」があります。

まぁ現代では「尺」以外はほぼ使わないですがね。

さらにちなみの話をすると、畳の長さは6尺を基準にしています(畳の大きさは地域により変わる為、6尺より短い場合もあります)。畳の他にも、扉の大きさも6尺が基準になっています。また、窓の大きさは大体3尺が基準になっていたりしています。

とまぁ、こんな感じで、人の身近にあるものは「尺」を用いることが多いですね。

 

最後に「メートル」や「グラム」と言った国際基準の単位があっても「斗」や「尺」を用いるのは、人の体を基準にした単位である為、人の使う道具や住居には、こちらの方が使いやすい為です。今回の話を知らないとなんでこんなに中途半端なのかと、お思いになるでしょうが、知っていれば、非常に使いやすい単位ですので、このブログを読んでいる方はこの機会に有効活用してみてはいかがでしょうか?

今回はそんな感じで終わろうと思います。ここまで読んでいただきありがとうございました。