雑草って何?

2022年05月20日
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こんにちは。私つい最近気づいちゃったんです。除草作業に関する話は何度かこのブログでしているのに、雑草自体に関する話はしたことない、という事実に。というより、「雑草とは何か?」という疑問を抱いたことがなかったことに気づきました。「彼を知り己を知れば、百戦殆うからず」ともいうのに、敵である雑草のことを知らずして、効果的な対策など、取れるわけがない。そんな訳で、今回は、「雑草とはどういう特性を持つ植物なのか」とそれを踏まえた「雑草対策」について書いていこうと思います。

 

では、まずは、雑草の特性を述べる為に、植物の分類法の一つである「C-S-R戦略」について簡単に述べていこうと思います。この分類では植物は3つに分類され、それぞれ、Cタイプ(Competition、競争)、Sタイプ(Stress、ストレス耐性)、Rタイプ(Ruderal、撹乱依存)に分けられるとしています。

  1. Cタイプは栄養豊富で気候も植物の生育に適した暑すぎず、寒すぎずを維持した環境に生える植物です。このタイプは植物にとって理想の環境であるので、植物同士の生存競争が激しい為にこのような名前で呼ばれています。山や森に生える植物を思い浮かべれば大体このタイプです。
  2. Sタイプは砂漠などの一定の環境は維持されているが、そもそも植物の生育には本来適さない環境に生える植物です。例えば、サボテンなどがこれにあたります。
  3. Rタイプは栄養も気候も植物の生育に適しているが、環境の変化が激しい場所に生える植物です。これはどういう場所かと言いますと、人間の生活圏内があたります。人間の住む環境は、植物からすれば、かなり激しく環境が変化します。例えば、山や森を切り開いたり、アスファルトを敷いたり、地面しかなかった場所に高層ビルが建ったり、といった具合にCタイプやSタイプでは環境が撹乱されすぎて生育できない環境となっています。これに適応したのがRタイプ、俗に言う雑草です。

 

やっとこさ、前提を述べられたので、本題である、雑草の特性について、です。上記のRタイプの特徴から、雑草とは、人間がいる環境だからこそ生えることができる植物だと言えます。もっと言えば、人間がより良い生活をしようとする活動を自らの種の存続に利用している植物です。

 

どのように利用しているのか?

 

例えば、人間は邪魔な植物を引っこ抜いたりしますが、この引っこ抜く際の刺激によって、地中に眠っていた種が目覚めたりします。この外的刺激による発芽は、植物の基本的な性質の一つで、雑草特有の性質ではありません。ただ、C・Sタイプの植物が気候の変化など自然的原因で発芽する(例えば、春に発芽する植物が夏に発芽しないように)のに対して、Rタイプは人間が生活環境を整えようと環境を変化させることを原因として発芽するという、人間にとって、とても嫌らしい性質をしているという訳です。

 

では、どうすれば雑草に対抗できるのか?答えは「引っこ抜かない、荒さない」です。先程も述べた通り、引っこ抜けば、また生えてくるなら、引っこ抜かず、地面も荒さなければいいのです。それじゃ何もできないじゃないかと思うかもですが、それ以外で対処すればいいのです。例えば、除草剤を撒いたり、金額はかかるが防草シートなどを敷けばいい訳です。雑草が厄介とは言え、植物の生育に必要な、「養分・水・光」が変わるわけでもないし、当然病気にもかかりますから。

以前ブログで、雑草は抜くよりも適度に刈って除草剤する方がいいよ、みたいなこと書いたのですが、あれの根拠がちゃんとあった訳です。まぁ、要するに以前までに言っていた方法以外、結局対策のしようがないということが分かってしまったわけですが(苦笑)。

 

因みにですが、どこかの歌の歌詞に「雑草がアスファルトから生える様を見て、雑草のように過酷な環境でも強く生きよう」的なものがありますが、C-S-R戦略をもとに考えると、「アスファルトのような過酷な環境でも生えることが出来る」のではなく、「アスファルトのような他の植物と生存競争することがない場所でしか生えることが出来ない」と考えるのが正しいのです。要するに、雑草とは他の植物とタイマンで競争したら負けてしまうので、競争する必要のない場所で生えているということです。

じゃあ、雑草に養分とられて生育が阻害される作物がなぜ出てくるのか、と言いますと、タイマンで負けるなら集団で囲ってリンチしようみたいな戦略を雑草がとるからですね。雑草というのは個としては短命で植物最弱ですが、種を残すという一点については最強です。短期間で発芽から枯れるまでを繰り返すので、環境の変化に、種としては、物凄く強いのです。その性質が今日まで、雑草が繁殖し続けることが出来る理由という訳です。

 

とまぁ、雑草の凄さ(あるいは、厭らしさか?)が分かったところで、今回は終わりとします。では、また次回に。